天海訴訟を支援する会ニュース36号テキスト版 2022.3.16発行 目 次 P1, 2 第 2 回口頭弁論 報告 P2 行動予定 会費カンパお願い P3 第 3 回口頭弁論のポイント向後弁護士 P4 第 3 回口頭弁論の ご 案内 P1 すべての福祉サービスを止めることは 比例原則に反する 第2 回口頭弁論 で 原告側 主張 「 千葉市の対応は違法 」 東京高等裁判所での 第2回口頭弁論は2月15日に行われました。 裁判を傍聴された方、ライブ配信視聴の方、 お忙しい中また コロナ感染拡大の中 にもかかわらず ありがとうございました。 原告側から九州大学名誉教授河野正輝氏、障害者自立支援法違憲訴訟団 藤岡毅弁護士、千葉県自治体問題研究所理事長 八田英之氏 による 3件の意見書を提出しました。 原告弁護団の坂本千花弁護士から準備書面が提出され、 陳述 も 行われました。 坂本弁護士は「生きる権利をうばわないで」と主張し、天海さんの希望 に対する 千葉市の言い分、千葉市の却下処分について分析 し、 千葉地裁の判決の問題点などを指摘しました。 千葉市の対応は、天海さんの事情をていねいに聞き取ることをせず、障害者の生活と社会活動の権利を顧みない 違法なものであること。一刀両断に すべての障害福祉サービスを不支給とすることは 障害者福祉の目的 と不支給処分の大きさを比較したとき、 きわめて不均衡で比例原則に反すると坂本弁護士は主張しました。 また、千葉地裁の判決の問題点として、 1. 65 歳で非課税世帯の障害者が自己負担を強いられる不合理について考慮していない。 2.障害者総合支援法と介護保険法の違いについて考慮していない。 3.介護給付の全面打ち切りという処分について,介護保険の申請に協力しない原告天海さんの責任にしている。 4.障害者総合支援法7条の解釈について,強引に他の要件を追加して適法要件を創設した。 と指摘しました。 被告千葉市側からは、第1回口頭弁論で裁判長から宿題の出ていた「介護保険の境界層特例の適用を検討したのか」に対する回答が(「生活保護の申請がなかったので適用しなかった」)書面で提出されました。 裁判傍聴者は42人、報告集会は会場とリモート参加合わせて150人でした。 次回第3 回口頭弁論は、4 月22 日に行われます。裁判官からの質問に対する坂本弁護士の回答、意見書に対する被告千葉市側からの反論、原告側の意見書陳述の可否などがテーマになりそうです。 P2 署名、学習会、リーフレット作成に取り組んでいます ニュースの発送などの事務作業とは別に、裁判勝利のためにどのような取り組みを進めるのかなどについて、幅広い分野からご意見をいただき、また取り組みに協力していただくため、障全協、きょうされん、きょうされん東京支部、きょうされん千葉支部、障都連、都障教組、社保協、民医連などにも加わっていただき定期的に拡大事務局会議を行っていま す。 現在、「東京高裁での憲法と法律に基づく公正な判決を」求める署名のとりくみ。 天海訴訟の意義を考える学習会を拡げていく。 「65 歳の壁」についてのわかりやすいリーフレットを作成、拡散して多くの方の理解をもとめる。 等について検討し取り組んでいます。 すでにご協力いただいた方も多いと思いますが、さらに署名を集めていただける方、地域や団体で学習会を開催していただける方は事務局にご一報ください。 署名用紙を送付します。また学習会開催のご相談をさせていただきます。 引き続き裁判の報告集会をZOOM でライブ配信をいたしますので、ご視聴ください。 会費・カンパのお願い 裁判は東京高等裁判所に舞台を移しました。 弁護団は増員されました。第3回の口頭弁論が決まっています。支援活動を強めねばなりません。裁判費用、支援活動の経費等に充てるため、ご協力をお 願いいたします。 郵便振替用紙を同封いたしました。 振込先 〒振替 00260-0-87731 「天海訴訟を支援する会」 通信欄に「会費」「カンパ」等を、またメッセージなども一言あるとうれしいです。 郵便局の手数料が値上がりしています。郵便局に口座があればATMからの送金の方が、現金での振り込みよりも安価です。 P3 天海訴訟控訴審の審理経過と今後の課題 天海訴訟弁護団 向後 剛 1 控訴審の審理経過(主要部分) (1) 第 1 回口頭弁論 (令和3年10月13日) 控訴人(天海さん)側は、第1審の判決を批判しつつ、従前の主張(併給調整の場面ではないので不支給とはできない等)を展開した。被控訴人(千葉市)側は、第1審の判決は結論において正しいと主張した。裁判所は、被控訴人に対し、「天海さんについて、低所得世帯の利用料軽減措置(介護保険利用料全額免除)が適用されない理由」を尋ねた。 (2) 第2回口頭弁論 (令和4年2月15日) 控訴人側は、藤岡弁護士、河野先生(九州大学名誉教授)、八田さん(千葉県自治体問題研究所理事長兼支援する会代表)の意見書、加藤さん(ケアマネージャー)の陳述書を提出するとともに、それらをふまえて本件処分の違法性について、@要考慮事項 を尽くしていない、A全部却下は比例原則に違反すると主張した(坂本弁護士が意見陳述を行なった。)。そして、藤岡弁護士と加藤さんについて、証人尋問を行うことを申請した。 被控訴人側は、前回口頭弁論における裁判所の質問に答えた。 裁判所は、証人申請についての採否決定は留保した。そして、 控訴人側に対し、控訴人側の上記@の主張に関連して、「要考慮事項を尽くした場合に結論は変わるという主張か。それとも、結論は変わらないが尽してないことが違法という主張か。」を尋ねた。この質問自体は、素朴な疑問を示したものと思われる。ただし2択で回答するのは難しいところがある(「結論が変わる。」と答えれば、それを証明しなければならない。 他方で、「結論が変わらない。」と答えた場合は、主張の迫力がなくなるように思われる。)。 2 今後の課題 (令和4年4月22日に向けて) 控訴人側では、まず、前回期日における裁判所 からの質問に対し、しっかり言い分を組み立てて臨む必要がある。次に、証人の採用に向けて、裁判所に、その必要性を説得していく必要がある。そして、さらにやるべきことが見つかった場合は、それに取り組む。 東京高等裁判所は、慎重に審理を行っており、第 1 審判決の判断枠組は変更される可能性が高い(私見)。しかし、結論が変わるかについては、予断を許さない。支援者の皆様と力を合わせて、充実した訴訟活動に努めたい。 P4 千葉地裁の不当判決をはねのけ 逆転勝訴に向けて! 4/22(金)東京高裁 第3回口頭弁論 午後1 時 裁判所前で集会 宣伝カーを配置して、裁判前の訴えを行います。 2 時30 分開廷 101 号法廷(1 階) 傍聴席は40席ありますが、制限数を超えた場合は抽選になります。コロナ感染には十分ご注意ください。 3 時30 分 報告集会:参議院会館 会議室番号は会場参加希望者に後日連絡します。 コロナ感染拡大のため、オンライン配信(ズーム)を基本とします。 集会の様子をライブ中継します。手話通訳付き。 ライブ視聴申し込みアドレス https://bit.ly/3Ija4OL 傍聴された方は、一駅ですが地下鉄で移動します。会館入り口で支援する会担当者から入館証を受け取ってください。 弁護団からの報告、コメント、弁護士紹介、天海原告の決意表明 などがあります。 申し込みフォームからの入力が不安の方は、mitsuhashi.tsuneo@gmail.com へメールしてください。 1.メールアドレス、2.氏名、3.ふりがな、4.都道府県名、5.人数、6.所 属団体、7.連絡先電話番号、8.テキストデータ・手話通訳などの必要な支援、 9.そのほか不明点など、を記載してください。 後日招待メールを送付します。 ニュースNO36はここまで メーリングリスト参加のお願い メールをお使いの方は、天海訴訟を支援する会のメーリングリストにぜひご参加ください。 ニュース配布、連絡、意見交換などに有用です。 mitsuhashi.t@jf6.so-net.ne.jp あてメールしてください。 ◎ご投稿をお待ちします。 天海訴訟を支援する会 262−0032 千葉市花見川区幕張町5-417-222 幕張グリーンハイツ109 障千連内 TEL・FAX  043−308−6621 http://amagai65.iinaa.net/ 天海訴訟は、全国の65歳を迎える障害者共通の問題 支援の輪を広げてください この訴訟は全国の障害者共通の問題です。またこれまでに積み上げてきた障害者福祉制度の後退を食い止める裁判です。この訴訟に勝利するためには、世論の高まり、国民の皆さまのご協力が必要です。