天海訴訟を支援する会ニュース39号テキスト版 2022.8.24発行 P1 10/14口頭弁論に多数の傍聴を! 天海訴訟は東京高等裁判所の審理も大詰めを迎えています。弁護団は第5回口頭弁論で結審になる可能性を指摘しています。 原告・天海さんサイドは高裁の審理で、千葉地裁判決は憲法や法律に規定のない「社会保険優先原理」を根拠にしている不当判決であること。 千葉市がすべての福祉サービスを切り捨てた行政処分は、比例原則に反すること。 経済的負担の増大は、障害者福祉継続の正当な理由になること、等を主張してきました。 被告・千葉市からは真正面からの反論はありませんが、判決の行くえは予断を許しません。 コロナ感染が収まる気配はありませんが、最後となる可能性の高い、10月14日の第5回口頭弁論では、傍聴席を満席にしたいところです。どうか皆様のご支援をお願いいたします。 第5回口頭弁論 10/14(金) 東京高等裁判所 午後 1時 裁判所前で集会 2時30分 開廷 101号法廷(1階) 3時30分 報告集会:参議院会館(予定)  コロナ感染拡大のため、報告集会はオンラインライブ配信を基本とします。  ライブ視聴申し込みアドレスなど詳細は次号ニュース等でお知らせします。 憲法と法律に基づく公正な判決を求める 署名活動にご協力を 皆様のご支援を受け、すでに1万筆をこえる署名を東京高等裁判所へ提出済みですが、さらに上積みを目指します。国民の大きな声で、公平な判決を求めます。 署名用紙は前号に同封しましたが、支援する会ホームページからもダウンロードできます。 http://amagai65.iinaa.net/ 締め切り 9月30日 支援する会へ郵送してください。(郵送先住所は下記) P2、P3 介護保険優先・65歳問題訴訟の高裁「逆転勝利」をめざして 天海訴訟 原告 天海正克 私は、2014年7月13日に満65歳を迎えました。 千葉市から「介護保険を申請するように」と何度も言われましたが、私は、日常生活、社会生活の支援により、社会参加の機会の確保を目的とする「障害者福祉」と、加齢に伴い生じた心身の変化に起因する要介護状態となった高齢者の日常生活を支援する「介護保険」との違いや、障害者運動で勝ち取った自立支援法違憲訴訟団の「基本合意」などの成果を無にしたくないことなどを話し、介護保険申請を断りました。 そうしたら、なんと8月1日からすべての介護は打ち切られ、全額自己負担となり、月に14万円もの利用料がかかってしまったことから、やむを得ず介護保険を申請しましたが、泣き寝入りはできないと2015年11月に千葉市を相手に千葉地裁に提訴しました。 2021年5月18日に千葉地裁で言い渡された判決は、私たちの訴えをすべて却下し、憲法だけでなく、国と原告の約束である「基本合意」をふみにじり、厚生労働省の通知や事務連絡までも無視して、千葉市の主張を全面的に支持する不当判決でした。この判決の背景に、新自由主義施策への忖度があることは明らかです。  日常生活に介護が不可欠な重度の障害者が、すべての行政サービスをはく奪され、まるで砂漠の真っただ中に放り出されてしまったような仕打ちを受けたにもかかわらず、判決は、障害者の生活をかえりみず「手続きに協力しない障害者はこのような状況に置かれるのは当然である」と言わんばかりの内容に怒りを禁じ得ません。地方自治法により「住民の福祉の増進を図る」責務のある千葉市の責任についても全く顧みていません。  こんなにひどい不当判決では、高齢障害者の人権は守られないと、ただちに東京高裁に上告しました。  4年前の岡山の浅田さんの勝利とは真逆の結果になってしまいましたが、東京高裁においては逆転勝利判決を私たちの運動で勝ち取りたいと思います。障害者の生活や尊厳より経済至上主義社会の誤ったルールを重んじる地裁判決は許せません。行政の意にそぐわないと障害者の命綱である介護をバッサリ打ち切り、何のためらいもなく自己負担をおしつける千葉市を許すことはできません。この訴訟で、「自助・共助・公助」の誤ったルールも正していきたいのです。  日本国憲法・障害者権利条約・障害者基本法などに年齢制限はありません。また、障害者総合支援法の規定にあるように、障害者がどこに住み、どんな生活を送るかは障害者自身が決定することです。 65歳になったからといって、障害者福祉給付を打ち切ることは絶対に許せません。障害者が社会参加を望むのであれば、障害福祉サービスの給付を継続すべきです。 東京高裁に向けて、公正判決を求める団体署名・個人署名・ネット署名・点字署名に取り組み、昨年10月の第1回口頭弁論で6500筆以上の署名を東京高裁に提出しました。特に全国北海道から沖縄まで316名の視覚障害者からの点字署名には力づけられました。この後に寄せられた署名は口頭弁論ごとに追加されすでに1万筆以上の署名を東京高裁に提出しています。さらに弁護団も強化され、論戦をリードしています。  私は、障害者自立支援法違憲訴訟の闘いで原告団と国が取り交わした「基本合意」と障害者自立支援法の応益負担反対の運動から障害者団体が共同してつくり出した「骨格提言」の実現を求めて、今日ご参加いただいている皆さんをはじめ、応援してくれる方々とともに運動を続けていきます。  そして、障害者総合支援法第7条の介護保険優先原則を撤廃させ、介護保険制度を抜本的に見直し、利用料無料を実現したいと思います。    10月14日の第5回口頭弁論で結審される可能性も大きいと思われます。 絶対に負けられない裁判です。共に頑張りましょう。 会費・カンパのお願い これまでに多くの団体・個人の方から会費、寄付金をお寄せ頂いています。ありがとうございます。 裁判は東京高等裁判所で進められ、大詰めを迎えています。 10/14に5回目の口頭弁論が行われます。弁護団は増員されました。これからも支援活動が必要です。裁判費用、支援活動の経費等に充てるため、ご協力をお願いいたします。 振込用紙がまだお手元にある方、またニュースが届いていない方にも声をかけていただき、もう一回り大きなご協力をお願いいたします。 振込先 〒振替 00260-0-87731 「天海訴訟を支援する会」 通信欄に「会費」「カンパ」等を、またメッセージなども一言あるとうれしいです。 郵便局の手数料が値上がりしています。 郵便局に口座があればATMからの送金の方が、現金での振り込みよりも安価です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ニュース送付先をご紹介ください。 メールでもお届けいたします。 メールアドレスを新規に作りました。 郵送先住所またはメールアドレスを下記へご連絡ください。 amagaisoshou@gmail.com P4からP6 天海さんの一日 第4回口頭弁論で上映された、原告・天海正克さんの日々の生活実態ビデオの一部をご紹介します(写真集) 1.両手両足に麻痺のある天海さんは、一人で衣服を脱ぐことができません。着ていた衣服のままベッドで眠ります。 2.ヘルパーさんが到着すると、待ちに待ったお風呂タイム。 風呂場は、天海さんが一人でも浴槽に出入りできるよう、たくさんの工夫がされています。  3.衣服を脱がせてもらいお風呂場へ。 4.天海さんが入浴している間に、ヘルパーさんは部屋を換気したり、脱いだ衣服の洗濯準備をしたりします。天海さんは、10分ぐらい湯につかり身体が温まったら、洗ってもらいます。 5.お風呂に入りさっぱりした天海さんは、身体を冷ましながら、モーニングコーヒーを一杯。 6.衣服を着る前に、背中に薬を塗ってもらいます。これで痒みがなくなります。 7.今日のお気に入りの衣服を選んだら、着せてもらいます。 8.朝食もできたようです。配膳をしてもらいゆっくり楽しみます。 9.食事をしている間に洗濯や風呂掃除をしてもらいます。 10.一日の活力の源の朝食も終わりました。食器などを片付けてもらいます。 11.いくつかの病院にお世話になっている天海さんは毎朝9粒の薬を飲みます。 12.歯ブラシに歯磨き粉をつけてもらった後、入れ歯の掃除をしてもらいます。 13.手足に薬を塗り、髪を整え、マスクをすれば、天海さんの一日の活動開始の準備ができました。 そのあとは、 月曜日・・・月1回 訪問歯科 火曜日・・・理学療法士来訪(リハビリ) 水曜日・・・看護師来訪(健康チェック) 木曜日・・・作業療法士来訪(リハビリ) 金曜日・・・1週間分の食材を買ってきてもらう ニュースNO39はここまで メーリングリスト参加のお願い メールをお使いの方は、天海訴訟を支援する会のメーリングリストにぜひご参加ください。 ニュース配布、連絡、意見交換などに有用です。 ニュースに対するご感想、ご意見などお寄せください。 amagaisoshou@gmail.com あてメールしてください。 ◎ご投稿をお待ちします。 天海訴訟を支援する会 262−0032 千葉市花見川区幕張町5-417-222 幕張グリーンハイツ109 障千連内 TEL・FAX  043−308−6621 http://amagai65.iinaa.net/ amagaisoshou@gmail.com 天海訴訟は、全国の65歳を迎える障害者共通の問題 支援の輪を広げてください この訴訟は全国の障害者共通の問題です。またこれまでに積み上げてきた障害者福祉制度の後退を食い止める裁判です。この訴訟に勝利するためには、世論の高まり、国民の皆さまのご協力が必要です。